すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

親のようになりたくないの罠

親と子は血は繋がっていようとも全くの別人格なのに似てくるものなんだなぁと、母と祖母を見て想いを馳せる今日この頃です。私は両親にしてもらったことで自分にとって良かったことは子どもが産まれた際にはしてあげたいなぁと思いますが、心のどこかで親のようになりたくないと思っているのも事実。そんなことを私の母も言っていたのでした。しかしまぁ似てる似てる。キレられるのは御免なので母に向かっては言いませんが、2人を似てるなぁと思ったエピソードを紹介します。

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私が大学に入学したということで、「お祝いあげるからおいで」と言われておばあちゃんの家に呼ばれました。するとおばあちゃんはクリスチャンディオールの大判スカーフとシャネルのお財布をくれたのでした。なんということでしょう。最初は断ったのですが「買ったらうん万じゃ済まないから!モゴモゴ」とプレゼントをもらったのでした。

二十歳の誕生日には、おばあちゃんからは真珠のジュエリーセットをもらい、母からはCOACHの鞄を貰いました。なんとも贅沢な誕生日プレゼントではありませんか!

しかしよく見てみると、ディオールのスカーフは半分くらい、水に濡れた跡形と模様がよれている様子が見て取れます。そしてシャネルのお財布も一部焦げて茶色くなっているし、お財布の中は水を浴びてビニールが少しくっついてカピカピになっているではありませんか。よくよく聞いてみると、一度祖父母の家が火事で全焼した時に、運良く水をかぶってしまったけれど残った強運のグッズらしいのです。ただこんなに悪くなっていると質屋さんに出しても二束三文でしょう。おばあちゃんからもらったものなので大事にする事に変わりはありませんが、まぁ、これ以外にもシミのついたスカーフなどをプレゼントにくれるおばあちゃんなので、ある意味おばあちゃんらしいなと思ったのです。ある時はゴミ捨て場で拾ったカゴを私にプレゼントで持たせたのですが、流石に母に怒られていました。しかし母から成人のプレゼントにもらったCOACHの鞄は実はおばあちゃんが母に免税店で買ったお土産で、母が少し使った後のお下がりでした。本当は新しい鞄を買ってあげると言われていたのですが、何せ田舎で何も売っていないので、母のお下がりになった訳ですが、「ママにはもう若いからあげる」と言われたコーチの鞄の取っ手の一部取れかけており、持ち歩く際には結構気を遣うのです。母も祖母と同様都合よく脳内のストーリーを書き換える癖があるので、

取っ手が壊れてる

→もう使わない

→デザインが若い

→ママには若いから娘にあげる

という思考回路になったのだと思います。それでも騙し騙しお出かけの時にはプレゼントにもらった鞄を使っていましたが、フランスに来る前に鞄をみると取り返しがつかなくなりそうだったので、とりあえず実家で預かってもらう事にしました。その他にも、母が黒くなったティファニーのネックレスを私にあげるよ、と言ったのですが、私が銀磨きで磨き上げて母に見せたら、なんの疑問も持たずに「ありがとう」と受け取られるし、本当に母と祖母のこの行動パターンは似てるなと思うと同時に、こうやって生きてるなら悩みなんてないだろうなと思うのでした。