最近、母の他力本願が加速し、お仕事の計画書の作成はドラミちゃん、事務作業を父が担当しています。私は赤ちゃんを産んだということで頼られておりません。ありがとう、娘。
しかし、私も絶対に頼られたくない場面で何度か頼られましたが、その中でも印象深かった出来事は、やはり母がドラミちゃんと私の2人暮らしのアパートにやってきた時でしょうか。我々が住んでいた街は少々都会だったので、母はショッピングモールで自分の服を見るのを楽しんでいたのですが、どれほど自分を華奢だと思っているのでしょうか(母は身長155センチで服のサイズは15号)、全く試着をしません。
私は身長が高めなので、日本では外資のファストファッションのお店にお世話になっておりましたが、私の服を見に行った際に母もド派手なボトムスにロックオンでした。しかし、母の買ったサイズはなんと36。どれほど小さいかというと、15号のオバさんがSサイズのズボンを買った、と言えば伝わるでしょうか。
レジで何度かサイズを確認された母。涼しい顔で「はい」と答える母。我々は母が履きたいズボンが履けなくて不機嫌になるのを覚悟しており、母だけがXSサイズのズボンがピッタリだと信じて疑っていなかったのでした。
そのあと、私の通っていた大学で国際イベントがあったので、大学まで一緒に行き、トイレで着替えようとした母。しかし、なんと、ズボンは上まで上がらなかったのです(当たり前だけど)。もちろん不機嫌になった母。「サイズ間違いましたぁ!」「このズボンどうしたものかなぁ??」とキレています。こちらも必死にブチギレそうになる衝動を抑えて「返品すれば?」とまともなアドバイスをしました。すると、「時間がないのでサイズ変更おねがいします!ワンサイズ上で!」とキレ気味に指図してくるではありませんか。いつものことなので驚きませんが。
その後、その場を丸く収めるために、恥を忍んで、私は母がズボンを買ったお店まで行って「あの、サイズ合わなかったので交換していただけますか?」とかなり下手から出ました。私も15号か17号の人間なので、店員さんの「まあそうでしょうね、なんでこれが入ると思ったのでしょうね」という心の声を聞きながら、サイズ交換をしてもらいました。私は悪くないのにまるで私が自分を客観視できない人間のような気がしておりました。母はワンサイズ上をご所望でしたが、現実的な線で2サイズアップです。
昔はスーツ5号だった、と話す母ですが、ある日そのスーツのスカートが出てきたのを見てびっくり。脚が太めの母の太もも1本分のスカートでした。絶対上まで上がらないし、私たちが過去の母を知らないと思って嘘をついていたのでしょう。5号のスーツを買ったけど入らなくて、でも恥ずかしいから自分では返品できなかった上に返品してくれる人がいなかったから、5号をキープした、というのが大筋だと思われます。
その後40(L)を買って「ちょっと大きめなんだぁ!」と満足そうにズボンに足を通していた母。ちなみにズボンは全く大きいということはなく、横に少しだけ線が入りつつもピッタリフィットしておりました。
返品代行、お仕事代行、なんでも承らないといけないわけですが、当然無給です。