すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

結婚斡旋所

おばあちゃまの口癖は「おばあちゃんが年を取ったらあんた達が介護してくれるんだよね?」と、「うちで暮らしなさい。増築するから。」です。実家は8LDKで、南仏の狭いアパートにいると実家が広かったのは恵まれていたんだなぁと感じますが、どんなに家の広さをチラつかされても、皆さんご存知の家族なのであそこに住みたくはありません。

さて、そんな家族と住みたいおばあちゃまなので、国際結婚で家を出てしまった長女に焦りを覚え、あの手この手でドラミちゃんを知り合い(次男以降)と結婚させようと苦心しています。

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ドラミちゃんが「あーあ働きたくない」「あーあだれか養ってくれないかなー」と迂闊に発言しようものなら、ここぞとばかりに「おばあちゃんいい人探して来るから!」と猛プッシュしています。私はおばあちゃまが連れて来る人は後継を期待される地元のお医者さんか地元のお坊さんだということを知っていたし、小さい頃から「あなたがお墓を守りなさい」と言われて育った反動でおばあちゃまのセンスとはほぼ真逆の外国人を連れてきてしまいました。がしかし、おばあちゃまは諦めません。最近では、父と母をお見合いで引き合わせた方とスーパーで偶然会ったようで、「今度お茶をしましょう」と、何やら不吉なお茶会の計画が粛々と進んでいるようです。

結婚=幸せ

という概念からは抜け出すことのないおばあちゃまです。でも時々、高齢の方でもドラミちゃんに理解を示す方もいます。おばあちゃまの姪の旦那さんは30数年間に渡り、不倫をした挙句、家までお妾さんに買ってあげたのに退職をしたらあっさり捨てられ無一文になっておばあちゃまの姪の元にしょんぼりと帰ってきました。そして今は悪事が祟ったのか腰痛がひどく、涅槃像のようにリビングの入り口にゴロゴロしているようです。不倫で奥さんにお金を渡さずいいだけ楽しんで退職後は行く場所がないから奥さんのいる家に戻ってきてリビングでゴロゴロするだけだなんて、私なら既に極刑を言い渡しているところです。だから、おばあちゃまの姪は人生結婚だけじゃないということを熟知しており、ドラミちゃんの数少ない味方です。

そんなドラミちゃんは、おばあちゃまがしつこすぎて結婚したくないと言っても無駄だと思った時には、子どもを産むつもりはないことを伝え、「後継を期待されるのは重荷」であるという旨を色々な言い方でおばあちゃまに伝えているそうです。重くのしかかる結婚出産のプレッシャーを強靭な精神力で跳ね返すドラミちゃん。そして強靭な精神力で結婚出産のプレッシャーをかけて来る家族。まだドラミちゃんはいわゆるる「結婚適齢期」真っ只中ですが、デスマッチはもうすぐそこまできています。