すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

家族紹介 〜母親〜 その6

私が国際結婚をして一番喜んだのは母です。

ドエムッシュは結婚前も年に1〜2回日本に来てくれていたので、その度に母は知り合いのところに連れて行き、ドエムッシュを紹介していました。婚約すらしていない時に「この方、娘の旦那さん!」と知り合いに紹介する始末。母の友人は人づてに私が結婚したと聞き、婚約もしてないのにプレゼントを送ってくれました。本当に人騒がせな母です。

このエピソードからも分かる通り、母は筋金入りの外国好きです。若い頃はおそらく国際結婚でもしたかったのでしょうが、それも叶わず、父と歯臭い結婚をしました。その間にまさか史上稀に見る愛らしさのドラミちゃんが生まれるのだから、人生とは面白いものです。

ところで、その愛らしいドラミちゃんですが、大学間の研究交流で、コロナが流行する前にハーバード大学に行ってまいりました。ほとんど発表や学術交流で自由時間がなかったようで、お土産は大量のチョコ、チョコ、チョコ、そしてロブスターのお友達。もちろん母がハーバード大学というワードを聞き逃す訳がありません。ドラミちゃんは母がお土産を言葉通りバラまくのを予知して、大量のチョコを買ってきたのですが、いつもお世話になっているご家庭や実家にはちょっと高級なチョコを買ってきていました。

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母は近所に見栄を張りまくっても足りず、しばらく会っていない元同僚のご家庭に行脚に出かけました。そこで、ドラミちゃんも次回の帰省で食べようと思っていたチョコレートを配ってしまったそう。父もさすがに母がそのチョコレートを配るのを知らなかったそうで、母が一々「これはー、下の娘がー、アメリカにー、ハーバード大学にー、行ってー、以下略」と説明している中で気づいたそうですが、時すでに遅し。人の前で止めるわけにもいかず、とうとうドラミちゃんの口にそのチョコレートは入ることはありませんでした。

母の国際的な家族アピールはここで終わるわけがありません。ブレーキが故障しているのでどこまでも暴走します。

私が結婚式を挙げる時は、友達も少ないし結婚式に呼んだ呼ばれたのしがらみが面倒だったので身内だけで小さく挙式しました。元々は母が自分の知り合いも招いて大々的にお披露目したかったようですが、それが叶わなかったため、結婚式後、玄関に入って一番最初に目につく場所に結婚式の集合写真を置いています。毎回写真について突っ込まれると嬉々として話していますが、触れない人には自分から「娘の旦那さんはフランス人」だということを紹介しています。私の実家は田舎なので、その地域出身の男性と結婚するのが理想とされており、国際結婚なんて同情されるだけなんですけどね。

さらに、お客さんに無理矢理写真を見せるだけでは飽き足らず、遂には年賀状も結婚式の一族全員集合写真になりました。毎年旅行先で家族で撮る集合写真を年賀状にしていますが、今年は旅行の家族写真よりも、誰の顔も分からないくらい小さく写っている一族の集合写真が年賀状になりました。250枚は下らない量ですが、『娘がフランス人と〜…』という文章を全て手書きで書いており、母の執念と気合いを感じました。「もしダメだったら離婚して帰っておいで」と賢母の顔をして言ってきましたが、所詮口先だけ。私が離婚しても戻る場所はございません。でもまあ、よく分かりませんが、親孝行できたようでよかったです。