すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

父のお年玉

 

今年の母作のケーキも食べ納めとなりますが、母は今回、おからにシナモン、ドライフルーツ、林檎、アーモンドを入れて焼きました。つなぎや砂糖は入っておらず、妹曰く今までで味は母史上最悪の出来だそうです。もちろん、ほぼクランブル状態でケーキの原型は留めていませんが、これは母の料理のデフォルトなので悪しからず。

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母の作る料理は完食するのが暗黙の了解。今回は流石に「美味しい」というのは母のみで、誰もが無言でひたすらこの“ケーキ”を飲み込むことに集中していたそうです。

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半ホールを4人でギリギリ完食しましたが、おばあちゃまはリタイアです。最初は、父と妹は無言で紅茶で一気に胃に流し込む、母も何とか「こっくりしてて、素朴で美味しい」と言って完食、おばあちゃまは優しさから「私は構わないよ、ボロボロしてても」というコメントをしましたが、おばあちゃまはもう半ホールの4分の1を食べるのは限界でした。

半ホールを大人3人で食べることになった我が家。父は優しいので、ドラミちゃんに一番小さいケーキを、自分には普通の大きさの、母に一番大きい部位をそれぞれ切り分け配りました。パサパサしているため父が口の水分を全て持っていかれ、窒息しそうになりながらほぼ食べ終わって、お口直しのリンゴを取りに行きました。すると、母は父が見ていないことを確認して、よっこらしょ、と父の皿に自分で食べ切れない分のケーキを全て移して素知らぬ顔をしていました。

リンゴをとって来た父は「アレ?!なんか増えてない?!」と言うと、すかさず母が「パパいつも頑張ってるからご褒美」と年末の死刑宣言を言い渡しました。父は脱力しながらなんとか震える手で口に運びますが、身体が受け付けなかったようで、ドラミちゃんのレポートにより、母が残して父にご褒美であげたケーキは、いまだにテーブルの上に放置されています。

母の1.8倍稼ぎ、月のお小遣いが3万円の父への年末のご褒美がお年玉という名のお金ではなく母の作った母史上最悪の味のケーキとは!今までも鼻をつまんで水で一気に飲み込むレベルの料理は何回か遭遇して来ましたが、最高にマズいと聞いて、母の料理の不味さ記録の更新に立ち会えず無念です。

しかし父への年末の感謝決算が今回のケーキとは。味は不味くてもブログ的には美味しいので良いのですが、父への同情は禁じ得ません。