白雪姫というと、毒りんごを継母に食べさせられてしばらくの間お棺の中で王子さまを待っているという話です。しかし、元々はさつ人未遂をしたのは継母ではなく実母だったのだとか。しかし教育的に良くないとのことで、どこかの時点で継母に書き換えられた、そんなことを聞いたことがあります。一番怖いのは人間ってことですね。
娘は推しでしかなく、美人になればなるほど良いと思っている故、初版の白雪姫のお母さんとは話が合わなさそうでホッとしております。我が家の白雪姫(=ドラミちゃん)の母は玉の輿に乗った自分の妹にも嫉妬しています。一方資産300億のお家から結婚を打診されたドラミちゃんの話にノリノリだった私とは全く対照的なので、おそらく根本から人生の捉え方が違うのでしょう。
ところで、雪のように白い美少女といえば、ドラミちゃんも例外ではなく、しかも年末には実母からほぼ毒を盛られていました。ほぼ毒というのは、別に死にはしないけれど、おそらく、しばらくダウンするであろうくらいの毒です。
一時帰国中、私はお腹の中に娘がいたので、母なりに気を遣ってくれていたようですが、反動がドラミちゃんに行っていました。突然台所に呼び出されたドラミちゃん。母が「はい、これ」と目の前でレモン汁を炭酸水で割ってくれたそう。そのレモン汁が全ての元凶でした。いつ開封したか分からないレモン汁を開けた瞬間ポン!と音がして、明らかにカビが沈んでいたので、母は自分で飲まず、ドラミちゃんにあげたのでした。ドラミちゃんは母がトイレに行った瞬間を見計らってその飲み物を捨てたので事なきを得ましたが、母もついに超えてはいけない一線を超えたかぁという感じです。後日、レモン汁のカビについて母に問い詰めたドラミちゃんに、「そうだよ、気づいてた?」と開き直った母。どうやら分かっててやったみたいです。
ドラミちゃん曰く、独身子なしを散々見下してきた母にとっては、独身を貫く姿勢を崩さない次女はアキレス腱だから早々に葬ってやろうという魂胆で、カビレモンサワーを提供してきた、というのですが、どうなのでしょうか。私は実母に嫉妬されるような見た目でもなければ収入もまだ両親ほどは高くないのと、母にとっての孫を産んだのでしばらく葬られることはなさそうです。そんな母ですが、私の娘が予想以上に美少女だったようで、私の出産後は家族に向かって自分も美少女を産んだのだと、しきりに話していたそうです。「ママだってドラミちゃん産んだんだもん!」と、娘の美少女具合で張り合ってくるところを見る限り、矢張りドラミちゃんは母の妬み嫉みの対象であり、アキレス腱でありつつも、母の人生においてはかなり大きな誇りなのでしょう。
ドラミちゃんの美少女具合に張り合おうとする還暦のおばあちゃんですが、娘が思春期になっても美少女だった時、やはり嫉妬して張り合ってくるのでしょうか。お母さんが実の娘の白雪姫に嫉妬するところまでは、毒母の心情をよく描けていると思いますけれども、まさかおばあちゃんが実の孫に嫉妬することがあるなんて、グリム兄弟もびっくりする事でしょう。