すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

娘が生き方の基準

どうやら、世の中には毒親と呼ばれる親が少なからずいるようですが、私は母が毒親だとは思いません。どちらかと言うと猛毒です。ドラミちゃんは母と一緒にいると心臓の鼓動が速くなるようで、実家に帰省するとなってからは口内炎が出来たとか、血圧が上がったとかで、結構もう体にガタが来ています。

以前も話した通り、母の髪色は他の人と比べると少し茶色ですが、そこまで明るくはありません。しかし、白髪染めで明るめのカラーを使っているので、最近は赤茶色の髪を維持しています。髪を染めているという記憶がないようで、「ママ髪の毛は染めなくても赤いんだ!」と年甲斐もなくぶりっ子をしている母を見ると絶望感に苛まれる娘です。どんどん皺々になる顔でぶりっ子をされても…年相応に綺麗なお母さんたちが羨ましい。口を開くと髪の話か研究の話しかしないようです。

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さて、そんな母ですが、先日ドラミちゃんが帰省した時にもドラミちゃんの髪に興味を示したようです。ドラミちゃんがプリンになると、母は「あれ、元々の髪は黒いんだ!」と毎回言ってくるので、実家に帰る前には髪の毛を律儀に染めるドラミちゃんです。

今回は赤に染めていったドラミちゃん。食卓を囲んでいた時、突然母がドラミちゃんの頭皮を弄ってきたようです。そして「あっ、頭皮薄くなってきてるよ」とドラミちゃんに言ってきたそうです。ドラミちゃんの髪が薄くなっているわけはないのですが、母は自分よりも髪の毛を明るくして欲しくないため、そうやって言ってドラミちゃんを黒髪に戻そうとしているのだと思います。家族の中で一番髪を明るくいたいという母の気持ちを知っているので、ドラミちゃんを無理矢理黒髪にしたい気持ちが見え隠れして、嫌悪感を胸に抱えてしまうのでした。

そんな女の醜い部分を濃縮した母は、家族の中で一番髪が長くないと嫌だというワガママさんでもあります。ヘアドネーションに向けて私が髪を伸ばしていると、髪を触りながら「いつ髪切るのー?」と聞いてきますが、それも、家族の中で一番長い髪でいたいという母の気持ちが見え隠れして、反吐が出そうになってしまうのでした。

ドラミちゃんはというと、今までは特に母からライバル視をされたことはありませんでした。ただ、最近は博士課程に進学したドラミちゃんにコンプレックスを抱くようになった母から、修士論文書いたの見せてと言われたり、父がドラミちゃんが共著で参加した論文を印刷して食卓に持ち込んだり、ドラミちゃんの学歴を羨ましく、妬ましく思う両親の圧にやられています。人のことを羨ましく思うなんて相手の苦労を知らない奴のやることなんですけどね。

そして最近は、フランス語がままならない私でさえこちらで働いてる私をみて、ずっと海外で働きたがっていた母は羨ましくなったようで、「ママもそっちで働けないかな」と相談してきます。ちゃんと正規雇用で退職金を満額もらうのがいいと思うのですが、海外への憧れを捨てきれず、時々塾で10代の子の進路相談を受けている気分になります。

母は自身がやりたかったことを、半ば強制的に娘たちにやらせたことで、私たちが母がやりたかったことに近い進路を歩むことになり、逆にコンプレックスをこじらせてしまったのでした。還暦を目の前にしても、娘たちを常に観察して、娘がこれをやるなら私も同じことをやりたい、娘よりも優れていたい、という気持ちを捨てきれない母。お互い他人なんだから、生き様は違って当たり前なのですが、いつまでもつまらないことで張り合おうとしてくる母にはほとほと疲れました。

そのうちドラミちゃんや私がダイエットと称して、美容外科脂肪吸引やボトックス注射を始めたら、おそらく母も顔にボトックスやヒアルロン酸を打ちまくって顔がパツパツになることでしょう。まあその世界線はそれで面白そうですけどね。