ドラミちゃんは美少女と言えど妙齢なので、どんなにドラミちゃんが「我が家のアンカー」宣言をしても、誰も諦めません。父はドラミちゃんに結婚して欲しいのか結婚してほしくないのか煮え切らない態度ですし、何ならまだ結婚は早いと思っているようです。かたや母は片っ端から知っている男の子を想像しては、ドラミちゃんのお婿さんリストから名前を消去する毎日です。
ドラミちゃんは独身貴族が夢ですが、私もドラミちゃんの相手を想像するのは好きなので、時々悪ノリで、母とドラミちゃんのお婿さん候補について話すこともあります。
私が日本にいるときは、大学時代の先輩同期後輩のあたりを紹介していました。ただ、大学が同じ人で超高給取りのお仕事についている人の心当たりがありません。それについては、母は「公務員はドラミちゃんも働かないといけないからダメ」と言っています。それ以外にも写真を見せながら母にドラミちゃんのお婿さん候補のプレゼンテーションをしますが、母のコメントは決まって、やれ「性格良くても身長低くて太もも太いからダメ」だの、やれ「顔が良くても結局ドラミちゃんは現在高学歴を極めているから、男が女に見合わない学歴だとプライドが邪魔して溝ができるから、高学歴じゃなきゃダメ」だの、やれ「〇〇高校(地元で一番の我々の出身校)以上じゃないとダメ」だの、やれ「顔良くないとドラミちゃんの隣に並んだ時にみじめだからダメ」だの、とんでもなく失礼な批評を言ってのけます。
私は、外見はふくらはぎが太いことと、性別と輪郭以外全て父親のコピーのようにそっくりなので、凌は私の場合結婚できたこと自体が奇跡だと思っています。母は顎がないので目立ちませんが、下ぶくれの家系でしかも顔のパーツは整っていないので、少し可愛い感じの顔立ちに収まったのは奇跡だと言えます(まぁ性格と生き様が顔に出て最近は美人とは言えませんが)。この父と母の血を継いでいるにも関わらず、美少女にうまれた奇跡の子、ドラミちゃんには両親の期待も膨らみます。
ということで、母の条件とドラミちゃんの条件を並べてみます。
母 ⇄ ドラミ
年収3億 ⇄ 年収2000万
出来れば名家 ⇄ しがらみがなければOK
イケメン ⇄ 普通の顔でいい
髪が生えてる人 ⇄ 髪が綺麗な人
ケチじゃない人 ⇄ 金払いがいい人
優しい人 ⇄ 全てにおいてドラミに甘い人
ダサくてもいい ⇄ かわいい服が似合う人
孫が欲しい ⇄ 子どもはいらない
身長185cm ⇄ 身長150cm〜(本人166cm)
高校は我々の母校以上 ⇄ 高校は関係ない
旧帝大以上 ⇄ 中卒以上
こうやってみてみると、ドラミちゃんの相手に求める条件はザルのようなものですが、300億にも心が揺らがなかったドラミちゃんは矢張り結婚する気はないようです。
茶漉しか濾紙のような母のフィルターを抜けてきた人はまだ1人もおらず、日々知らない場所で母に振られる殿方が続出しております。先日も東大を出て超エリート街道まっしぐらの彼を紹介しましたが…母の一言目が「で顔は?」でした。
母「で、顔は?」
私「こんな感じ(写真見せる)」
母「…」
私「イケメンではないけど普通だよ」
母「頭良さそうな顔してるね」
私「頭いい人がいいんじゃないの?」
母「ま、ドラミちゃんが良ければ」
私「だよね、、」
母「あとは?」
私「あ、北海道大学の人」
母「いいじゃん!身長は?」
私「175以上はあるかな」
母「アンタと変わらないじゃん」
私「あと髪の毛が薄めではある…」
母「あー、それは掃除が大変だ。」
私「そのうち大変じゃなくなるよ」
母「そういう問題じゃないのさ、次!」
私「この人は病院の3代目」
母「身長は?」
私「160センチくらいかな」
母「ドラミと釣り合うワケないでしょ」
私「短足だけど性格いいよ」
母「脚長い金持ちもいるだろうよ」
などなど辛口のコメントが並びます。東大の彼もまたドラミちゃんのお婿さんになるための共通試験で足切りに遭ってしまったのでした。
今回は母のコメントをメインに書きましたが、ドラミちゃんの結婚相手となると、私もかなり厳しい基準を設けてしまいます。上記に書いた以外にもドラミちゃんや母が求める条件を承知しているため、お婿さん候補の紹介の際には長所と短所の事実を淡々と述べる日々です。
肝心のドラミちゃんはというと、我々の会話に置いてけぼりをくらいつつも、時々我々の話を聞いています。どのような気持ちで平常心を保っているのか知ったことではありませんが、お婿さん候補たちに「知らないところで勝手に振られて可哀想」だと少し同情している風でもあります。
ドラミちゃんの相手はまだまだ見つかりそうにありません。父はドラミちゃんの結婚の話が出ると、まだ開いてもいないのにおでこに血管の跡が出てくるので、その話はまたの機会に。