すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

思い込みの罠 その2

母の思い込みは度々都合のいい方に流れがちです。そして私が結婚してからの口癖は「ドラミちゃんにいい人はいないかしら」です。半分は「子育ては娘が結婚するまで」と言う親心から、そして半分は「独身は負け組だ」という母の価値観からです。そんな世の中の独身には、独身がよくて結婚しない人もいるのに。兎にも角にもドラミちゃんを結婚させようと躍起になる母、そして別にいい相手がいないなら独身希望のドラミちゃん。そのため母の相談相手はいつも私です。

ある日またいつものように「ドラミちゃんにいい人いないかな」「周りにまだ独身でいい人いない?」と聞かれたので、私は大学時代の友人で、ドラミちゃんの先輩の写真を見せたのでした。「あ、この人にお世話になってるよ」と気にせず見せた写真だったのですが、2人の男性が写っていたのでした。

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ドラミちゃんがお世話になっている先輩は、頭がよく運動神経も良く人望も厚い人で、本当に面倒見がいいのです。そんな話を母にしていたら、母はドラミちゃんがお世話になっている先輩じゃない方をドラミちゃんをお世話してくれている先輩だと勘違いしたようでした。

私がドラミちゃんをお世話してくれている先輩が最後に残していた唐揚げを横取りした話を聞いてから、しきりに「ママ唐揚げ作ってあげるから、いつでも招待して」と言うのです。母は油の温度なんて気にせず低温で調理するので唐揚げの衣がドロドロに溶けていることがほとんどです。母の自己肯定感の高さゆえ、ドラミちゃんも断り切れず

母「いつでも連れてきてね」

ドラミ「う、うん…」(そして何もしない)

の押し問答が繰り返されていました。

そんなある日、ドラミちゃんが先輩ってどんな人?と聞かれて、写真の人物を指差しながら、「この人だよ」と説明を始めた瞬間、母は押し黙ってしまい、それ以来家に連れてこいなど言わなくなりました。

私にもドラミちゃんにも母が何故突然ドラミちゃんがお世話になっている先輩を連れてこいと言わなくなったのか、理由の見当はつきますが、その人が頭脳明晰で性格が良く運動神経抜群で人望が厚いことに変わりありません。話も面白いし、私は仲のいい友人の1人として彼の幸せを祈っています。

母は勝手な思い込みからドラミちゃんの人生プランを決め始めていましたが、現実を見たことにより振り出しに戻ったようです。最近では振り出しに戻ってから1コマも進めていないようで、勝手に焦っています。