すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

プリンスエドワード島 振り返り

赤毛のアンに出会ったのは幼稚園のころです。ピアノのレッスンの待ち時間に『赤毛のアン』の子ども用の絵本を読んだことがありました。その後まもなく、日曜日の朝5時頃に世界の風景を映しているテレビ番組でたまたまプリンスエドワード島の特集を目にしました。

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11歳で村岡花子さんの翻訳を読んだ時には、島の風景が目の前に浮かびものすごく感動したのを覚えています。世界の車窓からでもプリンスエドワード島の特集回があり、何度も本や写真集を読んで、長年赤毛のアンの舞台へ行きたい気持ちを温めていたので、今回のプリンスエドワード島への旅行は、今までで一番感動した旅行となりました。

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想像以上に大きくもなく、小さくもなく、少し不便さを残したこの島は、赤毛のアンが本当にいるのではないか、と思うくらい至る所に物語が息づいていました。

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車での移動はもちろん楽ですが、歩いて街を散策するのも、それぞれのお家の個性や風景を楽しめるので、車移動の日と徒歩で散策する日の両方があって良かったと思います。

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街からすこし遠くに出ると、緑も海も楽しめる島ではちょうどロブスター漁が解禁されており、ロブスター漁船が至る所で見られ、これも夏の風物詩だと郵便局のおばさんに教えてもらいました。

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赤毛のアンシリーズ以外にもプリンスエドワード島の写真集を買って何度も何度も読んでいたので、写真集でも象徴的に出てくるルピナスの咲き乱れる風景が見たくて6月末から7月上旬にかけて旅行を計画しました。ちょうどルピナスが満開のエリアが多く、ルピナスは路肩にも群生していたためドライブも楽しかったです。

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一番のハイライトは矢張りモンゴメリのお墓への挨拶と、アンが住んでいた設定のグリーンゲイブルズ訪問です。入口はビジターセンターのようになっていて興醒めでしたが、一度足を踏み入れるとマシューが働いていた農場や、マシューの部屋、マリラの部屋、客間、アンの部屋が再現されていました。赤毛のアンに出てくるアイテム(いちご水やアメジストのブローチや膨らんだ袖のモスリンのドレスなどなど)がそれぞれの場所に置かれており、赤毛のアンが大好きな人なら、そのアイテムを見てどのシーンか思い出せるのではないでしょうか。ダイアナのお家があると思しき場所はゴルフ場になっていました。。

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↑アンの部屋です。今風に言うと、アンの着ている服や似合う服な感じから彼女が骨格ウェーブだったことが想像できます。

写真で見るだけではなく、中に入って家の構造、雰囲気も体験することがどれほど素晴らしいことかを再確認したグリーンゲイブルズ訪問でした。

アンが初めてプリンスエドワード島に来た時にマシューを待っていた駅のモデルになった場所、輝く湖水など、建物や名所は本やテレビで何度も見ていたはずなのに、周りの雰囲気や場所などその場で経験すると全てが新鮮でどれも感動的でした。これが聖地巡りか!ってやつです。今までも色々な場所を旅行してきましたが、本当に行きたい場所を調べて調べて行って体感することほど素晴らしいことってあるのでしょうか!

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時間はありませんでしたがサマーサイドでの散策も楽しかったです。島民の人たちがどれほど島を愛していて、どれほど楽しんでいるのかが伝わってきます。新しい建設中の家も周りのデザインに倣ってクラシックなデザインで建てられているのもまた伝統を大切にしているのだなぁと胸が熱くなりました。

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ご飯は全体的に脂と砂糖が多く、サラダも甘い味付けで、5泊7日の旅行後現在はそうめんを食べる毎日です。ホテル泊だと、外食以外の選択肢がないので、ホテル泊の日と、コテージなどに泊まってバーベキューする日があればもっと胃に負担の少ない食事になるのかなと思いました。それに地元のガッツリしたお肉を食べたいならバーベキュー一択ですしね。

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甘いものにしても、市販の袋菓子のマフィンにしても脂がすごくギトギトしていて、クリームも砂糖もふんだんに使われています。これはこれで私は大好きなのですが、全部食べるにはウッとする量でした。これがまた美味しいんですけどね!ただフランスの繊細なケーキや、日本の繊細で軽い食べやすいケーキが恋しくなります。

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プリンスエドワード島には電車がなく、移動手段はバスの乗り継ぎ、車、自転車、徒歩の4択です。私たちは今回シャーロットタウンに5泊しました。初日シャーロットタウンのホテルには午後6時過ぎに着いたので、ほとんど何もしなかったので、実質動けたのは4日半です。

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プリンスエドワード島は思いの外大きく、また高速道路はないため、今回回ることができたエリアは大体紫の線で囲ったこんな感じです。赤毛のアンは黄色いエリアの北側に位置しているのでだいたい漏れなく見れたかなと思います。全て回ることが出来なかったのが少し心残りです。朝早く起きればいいのでしょうけれど、ドライバーのドエムッシュは、暗い部屋のベッドじゃないと眠れません。ロングスリーパーなので無理なスケジュールだと事故を起こす可能性もあったので、今回はドエムッシュに合わせてプランを立てたのでこんな感じになりました。

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プリンスエドワード島が大きいことは分かったので、もし次回行くなら、今度はもう少し長く滞在して、シャーロットタウンという島で一番大きい都市だけではなく、各エリアに2泊ずつくらいしながら、島の隅々まで見たいなぁと思っています。レンタカーも繁忙期には前もって予約しておかないといけないですしね。

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今回の旅行は、赤毛のアンを求めてプリンスエドワード島に降り立ちましたが、赤毛のアンの作者のこの島への愛を感じる旅であり、この島自体のもつ景観や人々の良さを実感する旅となりました(特にフランスなんて接客最悪だし)。

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またいつか戻って来れる日を目標に、これから一年はフランスでの生活はフランス語も英語も頑張ろうと思いました。いつかここに住んでもいいように、将来の目標を見据えて、頑張る理由ができた旅でもありました。

我々マイペースな夫婦は、車の運転ができる人もいたし、英語も日常会話程度なら問題ないのでツアーに入りませんでしたが、ツアーの方が効率よく回れるので、英語力関係なく、時間がない人や時間の無駄なく主要なポイントを周りたい人はツアーに入った方がいいと思いました。あと、私たちの滞在中に、赤毛のアンのミュージカルの上映は到着した日だけだったので、ミュージカルが観られず残念でした。スケジュールはしっかり確認することをオススメします。

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我々の行き当たりばったりな旅では島の人たちとゆっくり話す時間もあったし、迷った先で素敵な場所を見つけることもできたので、どちらにもいい点があると思います。ただ、ツアーじゃないので迷ったりダラダラしているうちに、お店や博物館の開館時間に間に合わず複数箇所見逃してしまいました。

帰りの飛行機の中で、1日だけツアーに参加させてもらってから気に入ったところに車で行った方がよかったね、とドエムッシュと話していました。時間に制約はありますが、ツアーはプロの方がスケジュールを組んで要所要所で必要な時間を取ってくれているので、土地勘のない初心者はツアーに参加するのが一番だと思いました。これが多分一番の大きな反省点です。。(我々が2日で回りきれなかった場所を、ツアーでは2日でしっかり観光地の見学を網羅してくれるのですから)

3人以上で3日以上の移動ならレンタカーの方が安く済むかもしれませんが、ガソリン代が高い昨今、2人でツアーに参加してもレンタカーとそれほど大きい差はないと思います。レンタカーは2日半借りて車代、保険代、ガソリン代を入れて430〜450カナダドル(約45,150円〜47,250円)でした。ツアーだと説明付きで「確実に」主要箇所は回れる訳です。ただ何回も書いている通り、ゆったり島民の方とお話できたのはプライベートの旅行ならではなので、後悔はありません!

ちなみに、今回の旅行で飛行機代、宿泊代、レンタカー・ガソリン代、飲食代、お土産代、観光料金、荷物の送料全て含めて5泊7日で約463,000円(2人分)ほどでした。日本のツアーより6〜10万くらいは安く済んだでしょうか?

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お土産の購入、ミュージカルの観劇、島の移動に関しては反省点と思い残しがありますが、全体的に100点満点の旅でした!・完