すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

お金をくださいの季節がやってきました

お金ってどんなに小さい金額でも貸した側は覚えていて借りた側が忘れていることって多いように思います。高校時、他のクラスの女の子がよく500円くらいずつ借りていて、借金が10万円ほどに膨れている子がいましたが、今は何してるんでしょうね。借りパクはお金を「一方的にもらったと思い込んでいる」のと同義ですからね。某プリンセスの義母様も多分このパターンですよ。しかしこちらの人はあの手この手でお金を「ちょうだい」と普通に言ってくる、これは未だに慣れないカルチャーギャップです。

最近は数ユーロ貸した人がいたんですけど、一生返って来なさそうだし、最近は数ユーロなんて貸すときには相手に期待してはいけないと思ってます。先日は有料のトイレに行きたいのに数十セント足りなくて泣きそうな顔をしたお兄ちゃんに、「20セント足りないの…ください」と言われ、流すのは涙だけにしてほしくて、20セントあげましたけど。知り合いにバスのチケット買うのにお金必要だから貸して、と言われて数ユーロ貸すならまだしも、フランスでは長い夜が始まり、クリスマスが近くなるにつれて最近は堂々と「お金ちょうだいマダム」と言われる事案が増えつつあります。

f:id:deb-log:20211120025959j:image

今日びっくりしたのは、綺麗な黒いコートを着ているエレガントな白人女性から「お金持っていませんか、お金ください」と言われたことです。今までは呑んだくれのオッサンからお金をせびられ、ガン無視したら「お前なんて女じゃねーよ」などの悪態をつかれたり、物悲しそうな瞳をこっちに向ける人たちに「お金ください」と言われたり、ナンパと見せかけて金をせびってくる男性などのパターンはありましたが、身なりのしっかりした人にお金くれと言われるのは初めてでした。今回のグレイヘアのエレガントな70代のマダムが、例えば、お財布を落としてトラムに乗るお金が必要なら、給料は低いけど、チケットを買ってあげようかとも思ったんです。ただ、道の真ん中で「具合悪いからお金ちょうだい」と言われ「いくら必要なの?」と聞いても「あなたの言ってること理解できない」と言われた挙句「ユーロくれ!ユーロ!」と何故かお金をお願いしている立場なのにイライラし始めたのでした。道の真ん中で、お金をあげないと一歩も動かなさそうなおばあちゃん。私は「いくら必要なの?」ともう一度聞くと、「10ユーロ!(1,300円ちょっと)」と答えるではないですか。生憎現金の持ち合わせがなかったので、からのお財布を見せながら、「マダムごめんだけど私も現金ないのよ」と言ったら、エレガントなマダムは無言でこちらを睨みつけながら立ち去ったのでした。時間がたった今でも未だに「具合悪いからお金くれ」の理論が理解できずにいます。フランス人の同僚に話したら、案外身なりのちゃんとした物乞いもあるとのこと。だってあのおばあちゃんの鞄はおそらく昔のロゴのグッチですもの。

こんなことを言うと不謹慎ですけど、冬の風景には物乞いが欠かせない国、それがフランス。最近は(本当に)イケメンのお兄ちゃんが、街角で笑顔で物乞いしていてついつい10ユーロくらいあげそうになりましたが、理性でそこは我慢。持論ですが、若くて健康そうに見える人は働けばいいと思うのでお金はあげません。心が病んでうんぬん働けませんと言う人は、物乞いするのでしょうかね。普通の人よりよっぽど腹も据わってて断られても折れない強いハートの持ち主だと思いますけど。

私は、現金は1〜2ユーロコインはチップ感覚で常に持つようにしています。ただあまり大量のお金は持っていると危ないです。お金は取られたら戻ってこないけれど、カードなら払い戻しの補償がありますからね。これから街がキラキラして、美しい季節が始まる一方で、物乞いの方達にお金をせびられるのは気が重いですね。