すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

父、白くなる

大きい地震が数度来てからというもの、ドラミちゃんは電子レンジなどの電化製品や割れ物をより低い場所に移動して生活しているため、アパートが狭くなりがちです。しかし地震のほとんどない地域の家族は、高いところの収納に仕舞いなさい、や、整理整頓を勝手に実行して我々が暮らしづらくなってしまうため、ドラミちゃんは家族がアパートに押しかけてこないように定期的に実家に帰っています。

さて、週末にドラミちゃんのお誕生会があり私はオンライン参加でした。もちろんドラミちゃんは実家です。私はどうせまたドラミちゃんが結婚適齢期だから…と結婚のことを色々言われるのではないかと思い、先日の社長の息子との結婚のオファーについて家族に教えたのでした。

我が家の救世主現る?! - すみれの部屋

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ドラミちゃんは、自分の誕生会にそんな話はしたくなかったようで黙っていたのだそうですが、私は画面の向こうの家族を半分モニタリングしている気持ちでついつい色々と話してしまいました。

私「ドラミちゃん、社長の話してないの?」

妹「え、ん、まあ」

母「え、なになに」

私「ドラミちゃんね、ボランティアに協力してくれてる企業の社長さんに、息子と結婚しないからって言われたらしいよ」

母「まぁ!お金持ちなの?」

私「ざっと総資産300億ってとこかな」

すると父が先ほどまで自分の出世について威張っていた威勢が瞬く間に消えて、ついにはドラミちゃんのケーキの蝋燭が消える前に燃え尽きてしまいました。ドラミちゃんに正論をぶつけられた時と、ドラミちゃんの口から男の子の名前が出ると何も出来なくなる父。

まさか結婚の話をされたのか!という顔をしていましたが、最初は空元気に「ハハハ!300億いーじゃん!」と言っていましたが急に立ち上がり、フラフラフラフラと居間へと消えていきました。父は守銭奴なので、一瞬お金で釣られてドラミちゃんの結婚に賛成してしまったのですが、そんな自分に嫌気がさしたのでしょうか。テーブルの上にいたドラミちゃんファミリーのミミズクにぶつかって落としてしまっても気づきません。いろいろな物を落として、声が出ない口をぱくぱくさせながら、台所を去っていきました。

私は相変わらず母とドラミちゃんの結婚の話を続けていましたが、途中から母の独壇場になってきて会話を続けるのが困難になってきたので一目散に退散しました。電話が終わってからも、父はずっと白くなったまま力尽き、一晩経つまでずっと上の空で過ごしていたそうです。

年収1000万の男性ですら上位5%なのに、さらに総資産300億でもドラミちゃんを嫁に出し渋る父ですから、おそらくもう誰が嫁にくれと言ってもダメでしょう。ドラミちゃんは独身を決め込んでいるのに、相変わらず我が家ではドラミちゃんが嫁に行く不安と、お金持ちに嫁に行かせたい母の感情が激突していました。ドラミちゃんお誕生日でしたが、主役の感情は置いてけぼりで、主役と父以外が盛り上がった誕生会となりました。