すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

クリスマス帰省(2回目)その6

さて、迎えた最終日。私は嫁の役割を全うすべく買い物などに勤しんでおりました。

ドエムッシュのおばさんが遊びに来て、数日後に還暦を迎えるもう一人のおばさんの話になりました。ドエムッシュももう一人のおばさんは修道女で、俗世で生活していないので、遺産を分けた時に税金の概念がなく、受け取った遺産を全額教会に寄付したがために、ドエムッシュの両親がおばさんの分も税金を払ってほとんどお金が手元に残らなかったそうです。それでも恨み言を言わないドエムッシュの両親は人間ができているのか何も考えていないのかの2つに1つですがたぶん後者の方です。その修道女のおばさんに、もう一人のおばさんが連絡をして何が欲しいか聞いたところ、パジャマと石鹸が欲しいと返事が来たそうです。

この日外は嵐、ドエムッシュのお父さんとお母さんは天気が悪い日は出かけないため、我々が買い物のついでに、修道女のおばさんのパジャマや石鹸を買うことにしたのでした。しかし、日用品だけ購入してプレゼントを買い忘れたドエムッシュ。セルフレジで助けを求められたので、私が急いで箱入りのパジャマを見つけてレジまで持って来た時には、ドエムッシュはレジを終えて店の外で待っているではありませんか。しかも私にウインクしてニコニコしてブラブラしています。「ん?支払い私?かな?」と思いながら万引きはできないので、私のクレジットカードで支払いました。その後、どの種類の石鹸が欲しいのか分からない我々は、フランスの自然派コスメのYves Rocher(イヴ・ロシェ)で、期間限定の香りのハンドソープ2種類、3歳の子どもから使える肌に優しいボディソープ、私が好きで使っているシャンプーとコンディショナー、ハンドクリームを購入しました。ドエムッシュがオーガニックの固形石鹸をスーパーで買っていましたが、パジャマとイヴ・ロシェの支払いは私。嫁ですから!

プレゼントと共に義実家に戻り、ドエムッシュの家族がカードにメッセージを書いて、梱包完了です。私の名前はありません。嫁ですから!

そして郵便局へ。結構重く、国内への発送ですか送料は3,000円ほどでした。送料はドエムッシュのお父さんが払いました。修道女のおばさんの弟ですからね。それから、「プレゼントのお金どうすればいいかな」とドエムッシュに聞いて来たドM父。ドエムッシュは「いいよ!それは僕からのプレゼントだよ!だって送料は父さんが払ったじゃないか!」と長男の表情で言っています。ドM両親は「まぁ!優しい子だね!助かるわ!」など褒めて褒めて褒めまくっています。私はそれを横目にマスクの下でため息をついたのでした。

 

 

あのー…支払ったの私なんです…けど……

 

 

しかしあくまでプレゼントはドM実家からのものなので、嫁は一切口出しせずひたすら「良いプレゼント見つかって良かったですね」と言っていました。嫁ですから!我々の家に戻ってから、10倍の額の返金またはモノで求めるつもりです。それでもまぁ6万円ほどですが。これは、借金に加算して、後で大きく頂いた方が得でしょうかね。

 

そして無事にプレゼントを送り終え、やっと帰りの電車に乗り込む私達。夫の顔を立てなくても、義両親は勝手に自分たちの長男を褒め称えるので楽でした。ただドM弟の彼女の件を見ていると、育ちの違う人でしかも失礼な態度を普通に取る人が家族に増えるということは、義家族的に大ダメージだということを目の当たりにしました。ドラミちゃんの言う通り、ドM弟嫁がいる限り私の株は何もしなくても上がる一方かもしれませんが、義家族に文句を言われないよう、私は嫁としてカタコトのフランス語をノリで話しながらひたすら台所で皿を洗っていようと決意したクリスマス帰省でした。