すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

家族の形

Noël(クリスマス)が近づいてきて、ドエムッシュの実家に1週間行かないといけないのが億劫になりつつあります。フランスでは離婚をしても社会的ダメージがほとんどないので、離婚へのハードルが低いです。ただドエムッシュの家庭は離婚もなく、丘の上に家が4軒並んでいるだけの日本で言うならば「普通」の家庭です。

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夫婦になった人たちの双方の両親が離婚して再婚している家庭は、12月になると、数日おきに、自分のお母さんの家庭、自分のお父さんの家庭、パートナーのお母さんの家庭、パートナーのお父さんの家庭、と忙しく4回も回るそうです。それを考えれば1週間で済むなんて、日本人嫁、へっちゃらなんですけど。

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ドエムッシュは特に両親の離婚など経験せず、家族と問題などどこ吹く風です。そういう育ち方が出来たから心に傷もなく毎日悩みがなさそうに暮らしているのでしょう。が、Noëlが近くなり国籍関係なく同僚とも家族の話をすることが増えました。フランス人パートナーのいる日本人の同僚は考え方は様々ですが、大体自分のパートナーだけでなく、家族の方にも気を配っている人が多いような気がします。

逆にヨーロッパの人、一括りにするのも何な話なんですけど、両親が結婚して離婚してさらに再婚したパターンの同僚なんかだと、すごく忙しいと言っていました。ただ、帰省はそこまでストレスではないそうです。というのも、「親が新しい家庭をもっているのと、自分の生活は別物」だからだそうです。話を聞いていると、近しい人のお家に遊びに行く感覚で、Noëlは各両親の新しい家庭に行っている、そんな印象でした。

ただし、両親の結婚離婚その他諸々に関しては、この年齢だから割り切れているのであって、思春期は思い悩んでいたと同僚は言っていました。結局家族の形って大人の事情なんですよね。家庭をもつときに子どもの有無は選択できるけれど、子どもの生活や心情の変化まで考える人ってどのくらいいるんでしょうかね。

ここからは個人的な考えなんですけど、ヨーロッパは都合よく個人主義な一面があると思います。子どもを一人の人間として扱えだの、大人と同等だとか言う人もいるけれど、そういう大人といる子どもは、他の子どもより大人にならざるを得ないんだと思うんですよね。色々傷ついて強くなるのが人間なのでしょうけれど、フランスに移住して、色んな人たちと関わるようになり、クリスマス帰省を控えた今、家族の形について悶々と考えた秋の夜長なのでありました。