すみれの部屋

おら海外さ来ただ!

私が裸族になった理由

私は小学校の頃からロクな服を着せてもらえず、ドンピシャに似合う服などはご法度でした。小学校の頃の服装だけで1シリーズいけそうなので、またの機会に紹介します。では、毒親サバイバー(回避型)の最近のお話です。

母は娘たちが上等なものを着用していると、女の醜い部分を前面に出してくるので、母の前では少し臭いが漂ってきそうな服装が正装とされています。しかし、婚約時に貧乏くさい服装に婚約指輪をしていたら、私の指輪に飛びついていました。婚約指輪は少し大きめのサファイアにダイヤモンドが両脇に付いているデザインです。外出以外は引っ掛かるのが嫌なので、指輪を外しているのですが、テーブルの上に放置された指輪に飛びついて、「これ、落ちてるの見つけた!もらっちゃおっかな〜」とふざけて娘の婚約指を指につけたり外したりしながらこっちを見た目が本気(マジ)な目をしていました。娘の婚約指輪にそんなに価値を見出す悪趣味な一面を発見してゾクゾクしたのは今でも鮮明に覚えています。あと、私たちの結婚指輪を見つけた時の母も見ものでした。インターネットでクチコミを読んで、ティファニーカルティエの二択まで絞り、結局フランス人に合わせてカルティエにしました。日本で買うブランドと数万円しか変わらないし、一生ものだからいいかな、と思っていたのですが、カルティエの箱を見つけた瞬間ぐるぐるとハイエナのように箱の周りを回っている母なのでした。

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友人の結婚式にサファイアのネックレスと指輪のセットを付けていった時のことです。おばあちゃんから譲り受けた着物でドレスをリメイクして、友人の結婚式場に行きました。「着物ドレス着た写真送ってね!」と家族から言われていたので、ドレスアップした写真を送りました。その後「結婚式が終わったよ」と連絡したら間髪入れずに母から電話が来ました。

母「ねぇ、あの写真で着けてたネックレスと指輪本物?」

私「え、あれ偽物だよ」

母「え〜本物に見える〜(ちょっと嬉しそう)」

私「2つで3,000円だよ」

母「いいじゃんいいじゃん」

というやりとりがありました。これは、身内から貰ったプレゼントだったのですが、とりあえず本物であることはひた隠しにして、その場は切り抜けました。2つで3,000円って…常に母は「長く使えるいいものを買いなさい」と言ってくる割に、そういうものを買うと、「あんたはそのうち破滅するよ!」と爬虫類フェイスで脅してくるのです。

大学2年生の頃、ユニクロの大セールでカシミヤのセーターを行列に並んで購入したのですが、仕送りが15,000円でバイトも家族からほとんど禁止されていたので、1着だけ気に入ったものを購入しました。今でも大事に着ていますが、それを見た母が突然目をカッと見開いて「身の丈に合った生活を送れないアンタは将来的身を滅ぼすよッ!」とのことでした。いや、15,000円でやりくりしてカシミヤ買ったことを褒めてよそこは!と思いつつ、母の前でカシミヤを着ることをやめました。

ついに私は、家では父親の古びた臭いパジャマか下着で過ごすようになりました。一時期は全裸で一人暮らしを謳歌していたのですが、妹と暮らし始め、結婚してドエムッシュと暮らし始め、相手へのリスペクトを込めて今では下着で生活しています。結局裸が一番リラックス出来るのですが、裸族になったきっかけはおそらく、母からの攻撃回避の手段だったのだと思うのです。鎧を着るのではなく脱ぐという、逆張りの生き方は、今のところ母との良好な関係を築くことに役立っている気がします。