すみれの部屋

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家族紹介 〜母親〜 その3

 

家族のエピソードをブログにアップしようと、時々妹と思い出話を兼ねて、ブレインストーミングをします。やはり人間、やばい話で盛り上がるので、母の話に偏りがちです。今回もそんな母を中心とした日常を少し紹介します。

ご近所さんもドン引きの我が実家の実情です。出勤時は、父が車を家の前まで運転してきます。冬は暖房で車の中を温めるまでが暗黙の了解です。その後、家族全員外に出て、母の車が見えなくなるまで見送ります。夕方は全員で出迎えるのが実家ルール。基本朝はおばあちゃまが母の尻拭いで家事を続けるため、お見送りは父、妹、私の3人です。帰宅時は出迎えがないとその後「自分は必要とされていないんだ」という謎の思い込みから何をしでかすか分からないので、出来るだけ全員で出迎え、荷物を取りに母の車まで向かいます。

実家に帰ると母は「ゆっくりして行ってね」と賢母の顔をしながら労るような声色でその一瞬だけは労ってくれます。…が、ここからが本番です。その優しい言葉はゴングと同じ働きだと思ってください。優しい言葉と同時に、母が背中で語ることを全て読み取り、三手先まで読んで行動する生活が「カンカンカンカンカンカン!」という音と共に幕を開けます。

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電気、エアコン、ストーブなどは、母がいつ自分の部屋に行っても良いように、常に明るく、適温である必要があります。これは家族も忘れがちな任務の1つであり、「ホウレンソウ(報告連絡相談)」を密に取らない場合ミスが起こりがちです。ある時は、エアコンをつけ忘れて母がぐったりしているのをドラミちゃんが発見しました。「エアコンつければ良いじゃん!」と第一発見者のドラミちゃんが母に話しかけると、「だって、お金かかるじゃない。私は嫁。エアコンを使う権利はないの。」と静かに言い放ちました。ドラミちゃんは行間を読む天才なので、すぐさまエアコンをオンにし、私たちの部屋のエアコンを消しました。でもね、はっきり言うと、私たちの子供部屋は西陽でグリルされるので、私たちの方がエアコンを必要としているんです。実家にはエアコンが4台ありますが、4台使うとブレーカーが落ちるため、何処かを消す必要があります。居間は消せないし、両親の寝室も母がいつ寝ても良いように適温にしないといけないので、消去法で私たちの部屋のエアコンが使えなくなります。

母の車の音が聞こえたら、母の部屋の室温を整える、これは常識です。この問題は夏にも冬にも付き物です。冬は冬で暖房をつけて待つ必要があります。以前も「ホウレンソウ」のミスで誰も母の部屋に暖房をつけていないことがありました。居間は常に適温なので、居間にいればいいのに、母は自己陶酔の顔で厚着をして、山小屋にいるかのような出で立ちで自分の部屋にいました。こういう時、どういうわけかドラミちゃんが第一発見者になることが多いのですが、その時も例外に漏れずドラミちゃんが発見。「エアコンつけなよ!」と言ったら、「私のような穀潰しはこのような生活がちょうど良いんです」と突然被害者の顔を向けてきたそうで、急いでエアコンをつけて部屋を温めてあげたということでした。

その他にも、母の部屋に電気を誰も点けないと、暗い部屋から誰かに気づかれるまで暗闇に座っていることもあります。暗闇から視線を感じた時は、そっと母の部屋の電気をつけてあげます。

いつものように、寝起きの顔で母を見送っていたら、出勤場所に向かう隣のお父さんが思わず「おっ今日もすごいな!」と大きめの声で言いながら、母の車に向かって手を振る私たちの横を通り過ぎて行きました。「ああ、やっぱり普通じゃないんだ」と再認識させられた朝でした。