南フランスは1年を通して温暖で過ごしやすい場所のせいか、有名な画家達が晩年を過ごしたり、療養のために住んでいたりしたそうです。
ルノアールが晩年に過ごした家も南フランスにあり、彼の作品や弟子達の作品が彼の思い出達と一緒に展示されています。
ルノアールの作業していた部屋がいくつかあり、その中でも広いアトリエが公開されていました。ルノアールが実際にスケッチした小屋がそのまま残っていて、彼の遺したものを後世の人達が今でも大切に思っているのが伝わってきます。
周りの植物が幾らか変わっていても、夏になると彼の作品のような風景になるんだろうな、と想像できます。
みかん畑に囲まれたお家です。
お手伝いさんの寝室等まであって、豪奢では無いのですが、きっと不自由の少ない生活を送っていたのではないでしょうか。
バルコニーからは、近くの鷹巣村(鷲ノ巣村)を臨むことができます。そのうち行こう!
最近新しくできたかつてのアトリエには、使用されていた顔料やルノアールの出生についてなどが展示されていました。電気はなく、全面窓ばりで何処からでも光が入ってくるようになっています。西陽が差していて、部屋がほんわかオレンジ色に染まっていました。
広大な庭にはみかんのみならず、裏庭の竹林、オリーブ畑等を楽しむことができます。
家の中自体もあまり大きくないのですが、光に溢れる温かい雰囲気に包まれながら、印象派の作品を楽しめる何とも贅沢な空間でした。
フランスの生活は、キャッシュレスとインターネットがある環境以外は、良くも悪くも昭和が続いている感じです。何なら大正時代かもしれません。その時代に生きたことがないから分かりませんが、少なくとも令和ではないです。
日本にいる家族や友達のSNSを覗くと、同じ時代を生きているのに、近未来に住んでいる人たちのように思えてきます。
でも、この地域に完全に嫌気が差さないのは、このような素敵な場所が、不便な生活の中に自然と存在しているからなのかもしれません。